「都立の上位校を目指したい」
「塾から“自校作成校も狙える”と言われた」
「でも、実際どのくらいの学力や内申が必要なのかよく分からない」
都立高校受験では、このようなご相談を保護者の方からよくいただきます。
都立自校作成校は、たしかに魅力の大きい選択肢です。
一方で、“上位校だからとりあえず目指す”では危ない入試でもあります。
共通問題校とは求められる力が異なり、内申・当日点・併願校の組み方まで含めて考えないと、受験全体の設計が崩れやすくなります。
この記事では、都立自校作成校を受ける前に最低限知っておきたい前提を整理します。
「うちの子は本当に自校作成校向きなのか」「どの程度の準備が必要なのか」を判断する材料としてお読みください。
都立高校受験の志望校や併願校の組み方を個別に整理したい方は、オンライン相談も承っています。
都立自校作成校とは何か
都立高校入試では、学校によって入試問題の形式が異なります。
多くの学校は都が作成する共通問題を使いますが、一部の上位校では、学校ごとに独自に作成する自校作成問題が使われます。
一般に、都立自校作成校としてよく挙がる学校群は、都立上位校として知られる学校です。
ただし、年度によって対象校や運用が見直されることもあるため、最終的には必ず最新の募集要項や公式情報を確認する必要があります。
自校作成校の特徴は、単に「難しい問題が出る」というだけではありません。
思考力・記述力・処理の正確さ・時間配分まで含めて見られるため、共通問題で点が取れることと、自校作成校で戦えることは必ずしも同じではありません。
「偏差値が高いから受ける」では危ない理由
都立自校作成校を目指すご家庭で、まず気をつけたいのがここです。
「上位校だから」
「学校の雰囲気が良さそうだから」
「塾で名前が挙がったから」
こうした理由だけで受験校に入れてしまうと、かなり危険です。
なぜなら、自校作成校は単なる偏差値の輪切りではなく、向いている受験生とそうでない受験生が比較的はっきり分かれるからです。
たとえば、模試の偏差値が悪くなくても、
- 3科のうち1科目が大きく弱い
- 記述で崩れる
- 難問に時間を使いすぎる
- 内申が不足している
- 私立併願との整合が取れていない
といった状態だと、自校作成校は見た目以上に厳しくなります。
逆に、模試の数字だけ見ると派手ではなくても、
- 3科が安定して高い
- 難度の高い問題への耐性がある
- 国語や英語の記述で崩れにくい
- 数学で一定の得点ラインを維持できる
- 併願校まで含めて受験設計が整理されている
というタイプは、自校作成校と相性が良いことがあります。
つまり、自校作成校は「上位層向け」という理解だけでは足りません。
学力の質と受験全体の設計が合っているかを見る必要があります。
自校作成校でまず見るべきは「3科の質」
都立高校受験では5科目を受けますが、自校作成校を考える際に特に重要なのは、英語・数学・国語の3科です。
これは、主要3科で差がつきやすく、かつ自校作成問題ではその差がよりはっきり出るからです。
英語
長文読解、記述、要約的な処理、文脈把握など、単純な知識問題だけでは対応しきれません。
語彙や文法がある程度固まっているのは前提で、読んで考えて処理する力が必要です。
数学
最も差がつきやすい科目です。
計算力だけでなく、途中で方針を立てる力、図形や関数を整理する力、時間内に取るべき問題を見極める力が問われます。
自校作成校志望で数学が不安定な場合、かなり慎重に判断した方がよいです。
国語
軽視されがちですが、実は非常に重要です。
文章を正確に読み、根拠を持って記述する力が必要になります。
感覚で解いているタイプは、難度が上がると急に不安定になります。
よくあるのが、「5科の偏差値は悪くないが、3科のどこかに穴がある」ケースです。
自校作成校は、この穴がそのまま不合格要因になりやすい入試です。
内申は「そこそこあればよい」ではない
自校作成校志望のご家庭で、もう一つ誤解が多いのが内申です。
「自校作成は当日点勝負だから、内申は多少低くても何とかなる」
このように考える方もいますが、これはかなり危ない見方です。
たしかに、都立上位校では当日点の比重が大きい学校もあります。
しかし、だからといって内申を軽く見てよいわけではありません。
実際には、
- 受験者層そのものが高い
- 当日点を大きく取る必要がある
- 私立併願校の組み方にも影響する
ため、内申が弱い場合は受験全体の難度が一段上がります。
特に、保護者の方が知っておきたいのは、
内申不足は「本番で少し頑張れば取り返せる」程度で済まないことがあるという点です。
自校作成校を検討するなら、学力だけでなく、通知表の状況も早い段階から現実的に見ておく必要があります。
模試の数字は「偏差値」だけでは足りない
模試結果を見るときに、偏差値や判定だけを見て一喜一憂してしまうご家庭は少なくありません。
しかし、自校作成校を考える場合、それだけでは判断が粗すぎます。
見るべきなのは、むしろ次のような点です。
- 3科それぞれの安定感はあるか
- 難しい回でも崩れ方が大きすぎないか
- 数学が一気に落ちる回がないか
- 国語や英語の記述で点を落としていないか
- 共通問題型では取れても、難度が上がると急落しないか
つまり、単なる「平均的な成績」ではなく、
上位校入試に耐えうる得点の質と再現性があるかを見る必要があります。
判定がAだから安全、Cだから無理、というほど単純ではありません。
特に自校作成校は、受験生本人の得点構造を丁寧に見ないと判断を誤りやすいです。
模試結果の見方や、塾の見立てが妥当かを第三者の視点で整理し
たい場合は、個別相談で確認できます。
自校作成校は「私立併願とのセット」で考えるべき
都立自校作成校を受けるなら、都立だけを見ていてはいけません。
必ず私立併願校とのバランスまで考える必要があります。
ここが甘いと、受験全体が不安定になります。
よくある失敗は次のようなものです。
- 都立第一志望だけに気を取られて、私立併願の難度が合っていない
- 併願優遇が取れる私立と、チャレンジ私立の整理ができていない
- 「都立が本命だから」と私立対策を軽く見ている
- MARCH附属や上位私立まで広げた結果、学習の焦点がぼやける
自校作成校志望者は、私立でも一定水準以上の学校を併願するケースが多くなります。
そのため、都立のことだけ考えていても不十分です。
都立本番までに、どの私立をどう位置づけるか
安全校・相応校・挑戦校をどう組むか
ここまで含めて戦略を立てる必要があります。
自校作成校に向いている受験生の特徴
もちろん個別判断は必要ですが、一般的には次のような受験生は自校作成校と相性が良い傾向があります。
- 主要3科が比較的バランス良く高い
- 難しめの模試でも極端に崩れない
- 記述や読解で一定の得点が取れる
- 数学で思考問題にある程度対応できる
- 内申も大きな不安がない
- 私立併願との設計まで含めて無理がない
逆に、慎重に見た方がよいのは次のようなケースです。
- 5科偏差値は高いが、3科のどこかが弱い
- 数学が回によって大きく乱高下する
- 国語・英語を感覚で解いている
- 内申が不足している
- 志望理由が「なんとなく上位だから」になっている
- 併願校が未整理である
自校作成校は、向いている子には非常に魅力的です。
ただし、向き不向きを無視すると、本人に必要以上の負荷をかけることにもなります。
受験学年になってから慌てないために
自校作成校を本気で考えるなら、受験学年に入ってから慌てて判断するのでは遅いことがあります。
早めに確認したいのは、主にこの3点です。
1.3科の学力が本当に足りているか
表面的な偏差値ではなく、問題の質が上がっても対応できるかを見る必要があります。
2.内申の見通しはどうか
通知表は直前で急に変えられるものではありません。
現時点で足りないなら、どこをどう改善するかを早めに考える必要があります。
3.私立併願との整合が取れているか
都立第一志望の気持ちが強いほど、私立設計が雑になりがちです。
しかし、実際の受験はセットで考えなければいけません。
この3点が整理されていれば、自校作成校を受けるかどうかの判断はかなり明確になります。
逆にここが曖昧なままだと、「なんとなく志望」になりやすく、直前で苦しくなります。
まとめ:自校作成校は「学力」だけでなく「設計」で決まる
都立自校作成校は、都立高校受験の中でも魅力のある選択肢です。
ただし、それは適切に準備し、適切に位置づけた場合の話です。
大切なのは、
- 3科の質を見極めること
- 内申を軽く見ないこと
- 模試を偏差値だけで判断しないこと
- 私立併願まで含めて受験全体を設計すること
です。
自校作成校は、「成績上位だから受ける」ではなく、
本人の学力構造・内申・併願設計が合っているかで決めるべき入試です。
もし今、
- 自校作成校を目指してよいのか判断がつかない
- 模試の見方が分からない
- 内申と当日点のバランスをどう見ればよいか迷っている
- 私立併願校まで含めて整理したい
という状況であれば、一般論だけでは足りない可能性があります。
受験では、同じ偏差値帯でも戦い方が大きく変わります。
ご家庭の状況に合わせて、志望校・併願校・今後の学習方針を整理したい方は、個別相談をご利用ください。
都立自校作成校を含む高校受験のご相談を承っています
「この成績で自校作成校を狙ってよいのか」
「都立と私立の併願をどう組むべきか」
「塾の見立てが妥当なのか第三者の視点で整理したい」
そのような場合は、オンラインでの個別相談をご利用いただけます。
模試・内申・志望校の状況を踏まえ、現実的な受験戦略を整理いたします。

